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基本的な日本茶のいれ方 、わかりますか?

投稿日:2013年8月24日

基本的な日本茶のいれ方 、わかりますか?

長年、日本茶・煎茶の消費量は減少を続けておりました。
ですが新型コロナが猛威を振るう2020年、増加に転じました。

参照:日本食糧新聞:日本茶のリーフ製品がコロナ下で注目高まる、トップの伊藤園は機能性表示の新商品「一番摘みのお〜いお茶」で市場盛り上げ

おうち需要・健康需要の高まりで13年ぶりにプラスとなっており、お茶をいれる急須の売り上げも、同年7月からスーパーでプラスになってきているということでした。

理由としては、一つに新型コロナ禍による在宅時間の長期化による消費行動の変化が挙げられます。

いままで、若年層が中心のお茶を飲む層はペットボトルで飲んでいました。
それが、在宅時間の長期化により、ペットボトルそのものがゴミとしてかさばり、よりゴミの発生が少ないリーフのお茶にシフトしたものと見られています。

同時に、家庭内での自炊の割合が増え、結果的に冷蔵庫にストックを用意しておかなくてもいいリーフのお茶が手軽に感じていきました。
いままで手間だと思われて消費が伸び悩んでいた急須を始めとする茶器は、他の食器と同じ様に洗い片付けるという行動に収まることになり、ペットボトルよりも手軽になったと見られます。

この傾向を表すように、大手飲料メーカー伊藤園のお茶のCMにも変化が出てきました。

今までは、ペットボトルのCMが中心に展開されてきました。

2020年の緑茶茶葉の販売拡大傾向を受けて、続けて茶葉のCMも流れるようになりました。

消費が先に増えてきて、CMを展開するという流れではありますが、巣篭もりで茶葉で淹れるお茶の味やバリエーションの豊富さに気づいた人達が、お茶を趣味とする為に活動を活発化しています。

ですが、多くの人達は、

・茶葉の特性を理解して淹れているわけではない
・手持ちの茶葉の特性がなにか理解しにくい
・You Tubeとかでなんとなく淹れている

など、自分の手に届く範囲での情報をもとに、なんとなく把握しようとしてる状態です。

せっかく興味を持っていただけたのであれば、ここからお茶のイベントや日本茶インストラクターなど詳しい人達との交流を深められるきっかけを作りたいと思いました。

この記事の最後に日本茶インストラクター協会へのリンクを張っています。
もし、日本茶にもっと詳しくなりたい方は、そちらをご覧いただければと思います。

今回はあくまでも、 基礎的な日本茶の入れ方 をご紹介します。

基本的な日本茶のいれ方 日本茶を淹れる前に

で、過去の記事でうだうだ言い続けてた、『日本茶の淹れ方』の記事です。

今まで、日本茶の淹れ方を避けてきたとおり、
紅茶
と違って『やるべきこと』がたくさんあります。

紅茶
・100℃で3分以上でOK

緑茶
・一煎目(1杯目)は70~80℃狙う
・入れる時間は45秒~1分(超えたら渋い)
・茶葉は入れっ放しにしない
・極力、人数分だけ淹れる

等々・・・・
ちゃんと淹れれば、感激するほどのお茶を淹れられるのが
日本茶の特徴です。

ただ、それまでには、『淹れる訓練』が必要なのも特徴なんです。

でも、意外と簡単に(ぞんざいに)扱われてきました。

結果、日本茶を淹れる行為そのものが、廃れてきたということが否めません。

では、一度、ちゃんと淹れましょう。
文句があるなら、その後でもいいじゃないですかwww

基本的な日本茶のいれ方 手順

一煎目の淹れ方

まず。
基本的な日本茶のいれ方 お湯を沸かす
お湯を沸かします。

きっちり沸騰させてください。

浄水器を通していれば、1分ぐらいの沸騰で充分です。もしかしたら、沸騰したらすぐ消しても構いません。
本によっては、『5分沸騰させて』とかいてありますが、
そこまでしなくてもいいです。

次に、
基本的な日本茶のいれ方 食器を用意する

右から、湯のみ湯冷まし急須と用意します。

なぜ、こういう用意をするかというと、
70~80℃まで落とすためです。
お湯は沸騰してる段階では100℃です。

ですが、一度陶磁器に移すと、10℃ぐらい下がるという特性があります。

つまり、
基本的な日本茶のいれ方 順番にお湯を入れ替えると温度が下がります。

やかん湯のみ :10090~95℃

湯のみ湯冷まし90~95℃80~85℃

湯冷まし急須  :80~85℃70~75℃(実際の温度は、ヤカンを火からおろした段階で98度になってることが多いので、少し下方に修正されます)

と、なるわけです。

”湯冷まし”は、和食器を扱ってるとこにはあるらしいですが、
なければ、大き目の急須を使ってください。

『陶磁器の器に入れれば、温度が下がる』ということに関して、
絶対に『湯冷まし』である必要はありませんから。

(急須に移しかえることが出来れば、『どんぶり』でもいいです)

で、実際に、一煎目を入れてみます。
必要分だけ熱湯を注ぎます

やかん湯のみ
二つに分けて入れました。

次に、
お湯を移し替えていきます。
湯飲み湯冷まし
熱いので注意してください。

基本的な日本茶のいれ方 茶葉を急須に入れます。
お茶っ葉をいれて(一人当たり3g)

基本的な日本茶のいれ方 適温のお湯を急須に注ぎます。
湯冷まし急須
ここから、45秒~1分をカウントしてください。(45秒だと渋みが薄いです)

ぼくは、キッチンタイマーを使用してます。
過ぎると、正直、味が悲劇になりますんで。

時間が経ちましたら・・・
お茶を濾します
湯冷ましに移し変えてください。

その際には、急須のお茶を一滴残さずすべて注いで下さい。
残ってると、余計なエグみになりますし、2煎目以降の味に影響が出ます。

一煎目のお茶は、『旨味成分を出す』ための淹れ方をします。

一気に熱湯を入れてしまう人がいますが、それをすると渋みとアミノ酸が一緒に出てしまい、大変飲みにくい飲み物になってしまうのと、これ以後の変化を楽しめなくなります。

ちなみに、渋み成分をほぼ出したくない場合は65℃以下のお湯を使うと、渋み成分の出が抑えられます。高い煎茶などは、あと二回ほど湯呑を入れ替えて50℃台に落とされることをおすすめします。

煎茶は変化を楽しむお茶です。それを頭に残しながら、二煎目を淹れてみましょう。

二煎目の淹れ方

次に、二煎目です。

二煎目は、一煎目と違い、
3回の移し変え→2回の移し変え

に、変わります。

つまり、10度ぐらい高いお湯を使います。
なぜかというと、二煎目以降、お茶はカテキンやカフェインといった
70℃以上で劇的に抽出されるものが
味のメインになるからです。

そういうわけで、
必要分のお湯を用意します
湯飲みに入れましたら・・・(連続でないなら、冷えた湯冷ましで)

茶葉を入れた急須にお湯を注ぎます
急須に注ぎます。

二煎目以降は、30秒で上げます。
一煎目と違い、茶が水分を吸っていて、早く淹れられるためです。

30秒経ちましたら・・・・

今回も
お茶を移し替えます
別の器(ティーポットとか)に入れ変えます。

このときも、急須の中は完全に移し変えてください。
お茶が残ってたらダメです。

で、ここまで二煎目淹れました。
紅茶は、一煎で終わりです。二煎目以降は色だけで、味は出ません。
(出たとしたら、一煎目は淹れ方が不十分です)

日本茶は基本的に三煎(3回)まで入れられます。

ただし、ほうじてない茶です。

煎茶・番茶・玉露などです。

四煎目以降は、味も香りも色も風味も劇的に落ちます。

日本茶は三煎目までです。
(一部例外もありますが、ほとんどは三煎目までです。)

三煎目の淹れ方

その、三煎目ですが、
三煎目は茶葉を入れた急須に直接熱湯を注ぎます
直接、急須に入れてください。

そして、30秒・・・・

ここでも、
お茶を濾します
茶葉はとります。
飲む時に大変ですからw

ぼくは、一度鍋にお茶を移してから、急須の茶葉を出して
お茶を入れなおします。
そのほうが、飲みやすいですから。

最後に

結果、一気に淹れると、3つの急須(ポット)が並びます。
それを、味の変化を楽しみながら飲みます。

普通、みんなで飲む時はその都度淹れます。
そうすることで間を取ることができて、良いコミュニケーションツールになります。

ですが、めんどくさがりは、一気にしてくださいw
ここまでの説明で、わからないというのはないでしょうか・・・
一応、簡単にするとこういう風になるかなと思ってます。

日本茶は、3→2→1で覚える。
数字は、もちろん、移し変える回数です。

時間と温度がしっかり守ることが、お茶をちゃんと入れるコツだということです。
日本人は、日本茶が一番だ・・・

って思えるような淹れ方が出来ることを祈ってます。
正直、日本茶は訓練ですから。

もっとちゃんとした淹れ方参考に:日本茶インストラクター協会:日本茶の淹れ方

-お茶, 緑茶, 緑茶の淹れ方

執筆者:


  1. みかん より:

    SECRET: 0
    PASS:
    いつも茶葉は、一煎淹れたあとは捨ててた!
    3煎までokなのね☆
    めっちゃ勉強になったわ。
    今茶葉が家にないのでw、買ったら挑戦してみる。
    湯冷ましないから、陶器の丼使うよw
    楽しみー!

  2. Ryo より:

    SECRET: 0
    PASS:
    Goods Job!
    Thank You(^-^)g"
    Ryo

  3. ジプリ より:

    SECRET: 0
    PASS:
    日本茶大好きなジプですが、陶器に移し変えると10度下がるというのは、知らなかったぁ~
    ゚。+━ヾ((○*´∀`*))ノ゙━+。゚:
    いつも、腹時計を使ってお湯の温度を調整してたくらいで・・・(●≧艸≦)゛
    日本茶・紅茶のおいしい季節になりますね♪

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