女性に人気の紅茶の代表格といえば、 アールグレイ ですね。
個人的に言えば、なぜそこまでアールグレイが好きなのか、さっぱりわからないですけれど、とりあえず、女性中心にアールグレイが好きな人が多いようです。
話を聞いてみると、いろんな環境や特徴から、好きだという答えになるようです。
・色んな所で売ってる
・どこで買っても安定して期待通りの味と香りがする
・一度でも飲んだことがあるとイメージがしやすい
・ホットでもアイスでも飲める
・他の人に話してもどんなものか理解してもらいやすい
やはり、認知度と知名度の高さが、手に取る抵抗感をなくし、そのおなじみの風味と合わさって、アールグレイが好きだということにつながっていくんだと思います。
今回は、よく知ってるようなアールグレイの事を振り返り、そして、日本でもアールグレイを作っているという事をご紹介していきます。
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アールグレイ という紅茶についてのおさらい
この項目では、以下の点でアールグレイについておさらいをしてもらいます。
・アールグレイの歴史
・特徴
・作り方
・アールグレイのタイプ
「え?アールグレイにタイプってあるの?」
と驚かれるかもしれません。
それは、『アールグレイとは何か』を知ることで、驚きから、かけがえのない知識に変わります。
それを含めて、アールグレイについておさらいをしてみましょう。
歴史
アールグレイは、紅茶に香りを着けた着香茶です。
19世紀はじめ、当時イギリス首相だったグレイ伯爵が中国に派遣された外交団が持ち帰った香り高い紅茶をとても気に入り、中国から送られたレシピを茶商に再現をさせました。
それが後にアールグレイと呼ばれるようになりました。
(出典:知る・味わう・楽しむ 紅茶バイブル|山田栄(リーフル)|ナツメ社)
英語が堪能な方はご存知だと思いますが、アールグレイの『アール』は「伯爵」という意味です。
つまり、『アールグレイ』とは、「グレイ伯爵」という意味です。
ちなみに、「グレイ伯爵」は一人ではなく、2021年現在、7代目まで継承されており、紅茶の「アールグレイ」は2代目グレイ伯爵「チャールズ・グレイ」に由来します。
この項目は歴史の項目なので追加しますと、この2代目グレイ伯爵の父親も「チャールズ・グレイ」と言います。
めんどくさい人は「アールグレイのグレイ伯爵は、2代目グレイ伯爵の2代目チャールズ・グレイ」とおぼえておきましょう。
(覚えて何になるんだって事かもしれませんが)
さらに6代目グレイ伯爵も「リチャード・フレミング・ジョージ・チャールズ・グレイ」で、『チャールズ・グレイ』のグレイ伯爵です。
特徴
アールグレイの特徴は、ベルガモットという柑橘類の香りです。
この香りは、紅茶独自の香りではなく、ベルガモットの香りを紅茶に付けた香りです。
「香りを着けた紅茶」ゆえに、着香茶と言われます。
なお、アールグレイは古くからある着香茶のため「クラッシックタイプの着香茶」と呼ぶ人もいます。
それだけ歴史があり、色んな人がさらなる改善を試み続けた伝統的な紅茶と言えます。
作り方
アールグレイの作り方は、製茶した紅茶にベルガモットの香りをつけることです。
ベルガモットは、ミカン科ミカン属の柑橘類です。
遺伝子解析の結果、ミカン属の三つの原種(ブンタン・マンダリンオレンジ・シトロン)が関与した交雑種であることが判明しているそうです。
(出典:Wikipedia:ベルガモット)
基本的にベルガモットは精油を取り出し、香料として使われています。
製造方法についてはいろんな方法が試みられています。
・取り出した精油を紅茶に振りかける
・果汁をかけて乾燥させる
・ドライチップやドライスライスを作り、混ぜてなじませる
・ドライチップやドライスライスを入れたまま製品とする
目的は、ベルガモットの香りや味を紅茶に伝えることです。
どのくらいの濃さを良しとするか、作りての狙いが非常によく現れます。
薄いと感じる人もいれば、濃いと感じる人もいます。
そういう調整を安定させる所に、そのメーカーの顔としての特徴が表れます。
メーカーの数だけ、アールグレイの種類があると考えて、色々チャレンジしてみるのもありです。
タイプ
作り方について、「ベルガモットの香りを紅茶につける」という事ができていればいいので、いろんな産地がアールグレイを作ってます。
・キームン紅茶とベルガモット
・アッサムティーとベルガモット
・セイロンティーとベルガモット
・セイロンティーの中のウバとベルガモット
・ダージリンとベルガモット
基本的に、中国紅茶とベルガモットの組み合わせがオーソドックスなので、そちらをメインに作っている所が専門店では見受けられます。
ただ、各紅茶専門店の個性を出すために、いろんな産地の紅茶とベルガモットの組み合わせが試みられています。
そのため、メーカー、専門店ごとに種類があるといえる状態になってます。
紅茶そのものを楽しむためにも、いろんな店を行脚してみるのも面白いかもしれません。
実際に淹れてみる
実際に、淹れてみました。
この記事をかいた季節的なものもありましたので、アイスでキンキンに冷えたアールグレイを淹れました。
冷たい柑橘系のドリンクって美味しいですよね?
淹れて見ます。
アイスティーにするので、氷が溶けることを考慮して沸かす水は少なめです。
普段は、鍋で煮たり、魔法瓶で淹れたりしてるのですが、この時は珍しくポットで淹れます。
使ったのは、
このアールグレイを使いました。
大丸京都店の裏の紅茶専門店の福袋にはいってたものを使用しました。
※この時8月、福袋購入は2月
_, ._
(;゚ Д゚) <いったい、いつのだよ
この時に使われていた茶葉は、スリランカのコスランダ農園というウバ地区にある紅茶です。
ウバといえば、スリランカでも標高の高い所で栽培されており、「ハイグロウン」と言われてます。
あと、ウバといえば、サロメチール香が出てくるものも多くあるという特徴もありますね。
そういう茶葉とベルガモットをあわせた茶葉です。
ちょっと、どんなアイスティーになるか想像できない。
なおティーコジーは持ってません。
(この時は)
いつも鍋で作ってるので、あんまり必要ないんです。
ポットで入れられる方は、かぶせることをお勧めします。
(2021年記事再編集時期には、沢山作りました)
ガラスのポットに、皿を乗せるとか、なんとも荒っぽい淹れ方です。
お行儀の良い皆さまは、決して真似をしないようにお願いします。
行儀が悪いだけですので。
クリームダウンしない程度に、粗熱をとって
(下に、保冷剤と水を入れたボウルを用意して、その上に紅茶を入れ直した鍋を置きました。)
ダブルクーリングとは、
『紅茶を氷で軽く冷やした後、網やでかい容器に大量の氷を入れて紅茶を通して急冷却する方法』
です。
多くの紅茶専門店で、アイスティーを作る時によく用いられている方法です。
前提として、紅茶を2~3倍ぐらい濃く淹れて、氷が溶けても薄くならない様にしています。
気合をいれて作りますので、テンション高めで入れると楽しいです。
それから、若干氷を入れた冷水用ポットに。
ストレートでアイスで、外で。
まあ、いつもの行動パターンじゃ、考えられない行動です。
京都も、天気いいのでww
(あつい・・・)
今日は、家の用事を終えたら、嵐山方面に散歩に行きます。
※なお、この日は、途中でこのアイスアールグレイが切れてしまい、熱中症ギリギリで帰宅しました。それからしばらく水シャワーを浴びてました。
国産紅茶にも アールグレイ があります
海外の紅茶として認識されているアールグレイですが、日本でも作られています。
それは、日本でも紅茶が作られているという現状があるからです。
この京都紅茶道部は国産紅茶・和紅茶を紹介するサイトですので、いろんな地域のアールグレイにふれる機会があります。
製品として素晴らしいものもあれば、これからどんどん良くなるものもあります。
そういう国産紅茶・和紅茶のアールグレイをご紹介させていただきます。
国産紅茶の アールグレイ は注目されている
日本では、お茶と柑橘類は似た地域で作られる傾向にあります。
例えば、お茶や柑橘類は、日当たりの良い傾斜のある地域で作られます。
土地を確保するために元々日当たりの良い地域をやや傾斜を付けた平面に切り開いて育てています。
実際に、茶農家さんの多くが、お茶と一緒にこじんまりとでもみかんやはっさくなどの柑橘類を育てていることが多いです。
多くの農家さんは、レモンティーをイメージして、自分の茶園の紅茶とレモンやその他柑橘類を入れることを考えました。
フルーツティーのイメージです。
お茶を乾かす乾燥機で柑橘類を乾かしてチップにしてお茶に混ぜ込みました。
その様にしているうちに、他のお茶を試しているうちに、アールグレイを飲む機会を得ます。
アールグレイが、ベルガモットの香油を振りかける事で出来上がると知り、香油とまではいかなくても自前の柑橘類で同じような事が出来ないかと試行錯誤をしてきました。
結果として、多くの「自前和紅茶アールグレイ」が誕生するわけです。
多くの商品は、柑橘類の香りがそこまで強いわけではないですが、穏やかな和紅茶の味にマッチしたものが出来上がってます。
海外のアールグレイが強いと感じる方は、一度和紅茶アールグレイを手にとって見るというのもいいかもしれません。
通販で手に入る和紅茶アールグレイ
ここでは、通販で買える和紅茶アールグレイを2つご紹介します。
和紅茶専門店紅葉:嬉野アールグレイ
一つは、佐賀の和紅茶専門店紅葉さんで扱っている嬉野アールグレイです。
嬉野紅茶にアールグレイの香りを足した着香茶です。
紅葉さんの嬉野紅茶は、穏やかな味と香りが特徴ですが、口に含んだ時に軽い青さと華やかな香りが相まって出てきて、渋さと軽い酸味が広がり、後味が香ばしい紅茶です。
じんわりと後を追ってどんどん穏やかな味が広がっていく紅茶に、ベルガモットの香りを追加している紅茶です。
いわゆる和紅茶とのイメージから離れる感じではありますが、激しい紅茶ではなく、穏やかでリラックス出来る紅茶であることは間違いありません。
お茶の木下園:東京紅茶・「東京アールグレイ©」
東京で紅茶づくりをされている東京紅茶さんのアールグレイです。
ベルガモットが輪切りで入っており、紅茶の茶葉に、ところどころ結晶化した粒が付着しています。
製造から日が浅い時は、紅茶の味香りに対して、後ろからついてくる感じのやさしい風味ですが、何ヶ月と時間を置くと、ベルガモットの香りや味がどんどん深みを増していきます。
気がつけば、紅茶と方を並べるくらいの個性を発揮し、東京紅茶の元から持つ香りだかさと同じ様に立ち並んぶ力強さを感じるようになります。
経年で楽しめるそういう和紅茶アールグレイです。
今後の国産紅茶の アールグレイ の展望について
現在、国産紅茶・和紅茶は、いろんな商品開発を試みて、どれが好まれるかという模索の時期に入っています。
海外の紅茶が、単一農園ものに注目され、単一農園・シーズン別・ロット別など限りなく細かい商品分けが注目され価値を得てきました。
国産紅茶・和紅茶でも、その傾向を受けて、
・日本で作った紅茶
ということから、
・どこで作った
・誰が作った
・どんな品種で作った
・いつ作った
など、海外の紅茶に要求する細かさに価値を持たれつつありました。
こういう傾向は、紅茶にこだわる一部の紅茶ファンの間なら非常に高い価値を持ちます。
ですが、多くの人達は、こういうところまでこだわらない人達です。
そういう「普通の人達」にどの様に届けるかがこれからの国産紅茶・和紅茶の鍵になります。
その一つの解決策として、
・香りの充実
・味の充実
がはかられます。
それらは、お茶に詳しい人達が求める香りや味ではなく、普通の人達が普段の生活の中でも、その良さを感じられるものでなければ、振り向いてもらえません。
アールグレイという紅茶は、それを解決するための一つの方法として、非常に明るい未来を示してくれていると思います。