和紅茶のカフェインについて知る前に、和紅茶とは何か、ということをご存知でない方はこちらを御覧ください。
飲み物を飲む時に、カフェインが入っているかどうか気になる方が多くいます。
代表的なもので言えば、
- コーヒー
- 緑茶
- 紅茶
などではないでしょうか。
ですが、多くの嗜好品に入っているため、無いものを探すのが大変だと言う人もいます。
デカフェやカフェインレスの飲み物に代表されるように、最近、カフェインがないもの・少ないものが流行ってます。
『和紅茶は気になるけど、カフェインが入ってると・・・』
『カフェインが入ってない、もしくは少ない和紅茶があれば・・・』
このような話をよく聞きます。
今回は和紅茶のカフェインについて書いていきます。
和紅茶のカフェインはどのくらいあるのか
まず最初に書かないといけないことがあります。
お茶に含まれるカフェインには個体差があります。
品種によって、産地によって、栽培によって、カフェインの量は増減します。
そのため、注意してほしいのは、「〇〇だから全部ダメだ」と決めつけることです。
決めつけを無くすには、カフェインの特性を理解して、植物ごとに傾向を把握して下さい。
そして、各々どうすればいいか見えてきます。
自分で出来ることもたくさんありますので、ぜひお役立て下さい。
カフェインってどんなもの?
名前はよく聞くかもしれません。
ですが、「コーヒーやお茶に入ってるもの」以外の認識は薄いのではないでしょうか。
カフェインとは、この様に説明されています。
『カフェイン(英語: caffeine)は、アルカロイドの1種であり、プリン環を持ったキサンチンと類似した構造を持った有機化合物の1つとしても知られる。ヒトなどに対して興奮作用を持ち、世界で最も広く使われている精神刺激薬である。』
(参照:カフェイン-ウィキペディアより)
簡単に言えば、「カフェインは、コーヒー豆やカカオ、茶葉などに含まれる苦みを持った成分」です。
(参照:カフェインの効果と摂取できる飲み物・食べ物5選!眠気には何が効く? -ロッテ)
つまり、代表的な嗜好品にはだいたい入ってます。
カフェインって科学的にどういうものなのか
カフェインを科学的に見ると、以下のようなものです。
- アルカロイドの一種
- 白色柱上の結晶
- 融点238℃、昇華点178℃
- 化学式:C8H10N2O2
- 水,エタノール,クロロホルム,エーテル,アセトン,ベンゼンに可溶
(参照:カフェイン-コトバンク)
入ってるものとしては、お茶やコーヒーが有名です。
例えば他には、カカオやガラナ、マテ茶にも含まれてます。
入ってるだけなら随分たくさんありますが、だいたい嗜好品です。
体にカフェインを取るとどうなるのか
カフェインは体に与える作用はどのようなものでしょうか。
以下のものが挙げられます。
- 眠気覚まし
- 鎮痛作用
- 疲労回復
「カフェインの入ってるものを飲むと、眠れなくなる」というのは有名ですね。
受験勉強の眠気覚ましに濃いコーヒーを飲むなんてよくあります。
(体感で効いてるのかどうかわからない、って人ばかりだと思いますが)
ただし、体に悪い作用もある、という人もいます。
よく割れるのは、妊娠中や授乳中の女性は、カフェインを取ることは避けましょうと言われます。
妊娠中にカフェインをとりすぎると、子供が低体重になったり、流産の可能性が高くなるという研究結果もあるそうです。
さらに、体に作用する悪影響の方に目が向き、カフェインを極度に避けるという人もいるようです。
ですが、一日あたり、カフェイン400mlを限度として、妊娠中・授乳中は200mlまでなら大丈夫とのことです。
つまり、過剰に避けるよりも、適切に付き合うほうが良さそうです。
(参照:食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~-厚生労働省)
紅茶のカフェインと他の飲み物を比較してみた
気になるカフェインですが、実際、どの飲み物にどのくらいあるのか比較してみましょう。
カフェインも、どのくらい含まれているのか、どこまで飲んで良いのか、が分かれば安心です。
改めて、一つ一つ確認してみましょう。
カフェインの含有量の比較
気になるカフェインの量につてい、農林水産省のサイトに紹介があります。
- エナジードリンク:32~300mg
- コーヒー:60mg
- インスタントコーヒー:80mg
- 煎茶:20mg
- ほうじ茶:20mg
- 玄米茶:10mg
- 烏龍茶:20mg
- 紅茶:30mg
これらはともに100mlでの量です。
どのような条件で抽出したかは、下記の参照を御覧ください。
(参照:カフェインの過剰摂取について-農林水産省)
エナジードリンクは、商品によってばらつきがありますね。
コーヒーはレギュラーでもインスタントでも、お茶と比較すると多いですね。
お茶の中でも、お茶ではない物が混ざってる玄米茶は少なめです。
そこで、紅茶はお茶の中では多い部類に入ります。
実際にどのくらい飲めるのか
では、実際に一日にどのくらい紅茶が飲めるのか、カフェインの量から比較してみましょう。
2つの条件を考えてみます。
1つ目は、一般的に言われるカフェインの一日量からの比較。
2つ目は、体重1kgあたりから逆算してみる。
これによって、自分で把握しやすい方を自分で用いてみましょう。
検証1:一般的な一日分カフェイン摂取量から
一般成人一日分のカフェイン摂取量は、400mgと言われています。
上記の記載より紅茶は、100mlあたり、30mgでした。
つまり、400÷30✕100=一日の紅茶の飲む推奨量
ということになります。
結果として、1333mlになりました。
150mlを1杯として考えると、9杯とちょっとですね。
大体10杯と考えると良いでしょう。
茶道楽の人達には、1.3Lは一般的な量でしょう。
ですが、普通の人にとっては充分多い量です。
かなり余裕を感じられます。
検証2:体重1kgあたりのカフェイン摂取量から
体重1kgあたりのカフェイン摂取量は、3mgぐらいと言われています。
(欧州食品安全機関(EFSA)による2015年にカフェインについてリスク評価より)
体重70kgの人なら、3✕70=210mgになります。
体重100kgの人なら、3✕100=300mgになります。
70kgの人の例で考えると、210÷30✕100=700mlとなります。
ペットボトル1本と半分ぐらいですね。
少なく見えるかもしれませんが、一般的な人からすると充分な量です。
カフェイン量で見る紅茶の適正量についてまとめ
以上の2つの例により
- 紅茶一日1.3L
- 紅茶一日700ml(体重70kgの場合)
のいずれか自分のライフスタイルにあっているものを選択するのが良いと思います。
実際、適当に決めたものではありません。
それなりに、確証のあるデータを元にして算出したものです。
よって。自分にとって扱いやすいものを選べば良いかと思います。
なお、子供や妊婦さんはそこから量を少なくする必要があります。
上記の農水省のカフェインの過剰摂取についてのページに記載されていますので、ご参考下さい。
和紅茶のカフェインについて考えてみよう
次に、和紅茶のカフェインについて考えます。
紅茶と和紅茶は何が違うのでしょうか。
日本では、紅茶は海外産の紅茶を指し、和紅茶は日本産の紅茶を指します。
よって以下の事が違ってきます。
- 栽培状況
- 栽培目的
- 品種
海外産の紅茶は紅茶にするために育てられます。
一方で、日本産の紅茶は緑茶にするために育てられます。
一部、紅茶にするために育てられるお茶もあります。
ですが、ごく一部です。
そういう傾向の違いを踏まえて、和紅茶のカフェインを考えてみましょう。
和紅茶の3つのタイプ
和紅茶を見る上で、味のタイプで分けます。
佐賀の和紅茶専門店紅葉さんが大まかに3つのタイプを提唱しています。
- 滋納:緑茶品種を醗酵させ、うま味を引き出すような仕上がり
- 清廉:すっきりした香りを楽しむ仕上がり
- 望蘭:海外紅茶に近い味わいを持つ仕上がり
和紅茶のカフェインを見るために、まずこの3種類に分類をしてみましょう。
そして、各々の紅茶としての特徴を把握します。
和紅茶のカフェインを見るためのタイプ別の傾向
上記で3つの和紅茶のタイプを説明しました。
もう少しだけ、詳しく書きます。
滋納について
上記の説明では『緑茶品種を醗酵させ、うま味を引き出すような仕上がり』と書きました。
よく言われる和紅茶の特徴「渋くなく、おだやかな味わい」というのが、滋納の紅茶の特徴です。
多くは、緑茶品種で作られ、緑茶の育て方をしている茶の木から作った紅茶に多く出る傾向です。
緑茶では、極端な渋みや苦味は敬遠される傾向にあります。
そのような味が出ないように育てた結果、紅茶にしても、「渋くなく、おだやかな味わい」になります。
清廉について
上記の説明では『すっきりした香りを楽しむ仕上がり』と書きました。
この紅茶の特徴は、香りが華やかで渋みが強い、事にあります。
そのため、味はスッキリした傾向にあります。
緑茶品種でも紅茶品種でもこの傾向のある紅茶は見られます。
ただ、作っている農家さんが、香りの強めの紅茶を作りたい、と思い育ててる場合出やすいです。
このような紅茶を作る農家さんの紅茶は、味よりも香りが特徴的な傾向があります。
合わせて緑茶も飲んでみるのが良いかお思います。
望蘭について
上記の説明では『海外紅茶に近い味わいを持つ仕上がり』と書きました。
味が濃く、どっしりしたタイプが多いです。
渋いものもありますし、そうでないものもあります。
飲んで見るまでわかりませんが、間違いなく、味香りが濃いのが特徴です。
そのため、海外の紅茶のアッサムティーやブレンドされたセイロンティーのようにどっしりした紅茶になります。
カフェインの少ない和紅茶はどれか
和紅茶のカフェイン量は、一つ一つ商品ごとに見るのが一番正確なのですが、毎回そういう事はできません。
そのため、カフェインの特性を生かして、カフェインが多い傾向にある紅茶の調べ方を参考にします。
この3つの和紅茶のタイプに当てはめてみて、カフェインが多いのかどうか調べてみましょう。
その方法とは、アイスティーにすることです。
紅茶は、冷えるとタンニンとカフェインが結合し、白くにごります。
それを「クリームダウン」といいます。
タンニンやカフェインが多いと、クリームダウンしやすくなります。
つまり、クリームダウンしにくい和紅茶が、カフェインが比較的少なめの紅茶と考えることが出来ます。
和紅茶のカフェインが少ないおすすめの飲み方
まず最初に、その紅茶が、カフェイン多いのかどうかという事を調べましょう。
調べ方は、先程書いたとおり、アイスティーにすることです。
アイスティーの作り方については、下記のページを参考にしていただければ幸いです。
まず、アイスティーにすることで、その紅茶がクリームダウンしやすいかどうか調べます。
茶葉の量は、記載通り多く使って下さい。
お湯:氷=1:1、ぐらいになれば望ましいです。
ただし、その後飲むことを考えて薄めにしたい人もいるでしょう。
そのような方は、薄めで飲んでいただいても結構です。
今回は、白く濁るかどうか、という事を調べます。
白く濁れば、他の海外の紅茶と同じように扱いましょう。
もし、白く濁らなければ、海外の紅茶よりも少し多めに飲んでも大丈夫でしょう。
このような、判断基準にお使い下さい。
和紅茶のカフェインとの付き合い方
今回は、和紅茶のカフェインとの付き合い方を紹介しました。
カフェインそのものを知り、紅茶としての傾向を知り、実際に飲むものがどうか知る。
そのプロセスで予め知っておくことは大切なことです。
和紅茶のカフェインでも同じです。
ですが、前の方にも書きましたが、過剰に神経質になる必要もありません。
大人は、1日400mgぐらいまでなら、カフェインをとっても大丈夫だろうと言われています。
一般的な紅茶で換算すれば1.3L分です。
これは、普通の人が紅茶を飲む量としては非常に多い量です。
例えば、毎日水を意識的に1.3L飲んで下さいと言われたとします。
それを、多くの人が出来るでしょうか。
間違いなく、ほとんどの人は水ですら難しいでしょう。
なので、普段の生活でよほどのことが無い限り、神経質になる必要はありません。
ただし、カフェインは個人差があります。
少量でもだめな人がいます。
そのような方はは、ぜひ参考にしていただければと思います。
前提として、自分がどのくらいのカフェインに耐えられるのかを知っておくことでしょう。
そうすれば、何杯まで紅茶を飲めるのかわかるようになります。