【 九曲紅梅 この紅茶について】
今回は、国産紅茶ではなく、中国で作られている 九曲紅梅 という紅茶をご紹介します。
この紅茶は、お茶仲間である中国茶の専門家A氏から頂いた紅茶です。
A氏の中国茶専門サイトは→こちら
この紅茶は「九曲紅梅」といいます。
中国の浙江省杭州市で作られています。
原産は、福建省武夷山九曲というところらしいです。
ちなみに、今年作られた新茶です。
一年ほど置くと角がとれて落ち着いた感じになるそうですが、これはこれで新茶らしい力強さを感じるにはなかなか良さげかと思います。
A氏はこの紅茶をもって「日本の紅茶もここまでなって欲しい・・・」と願ってました。
僕もそう思います。
中国の紅茶は、あんまり触れる機会の少ないものですが、品質は非常に良いものばかりです。
「中国のだから」と言って敬遠しているのは、正直損です。
こういう物を自分の知識・経験に入れておいて、国産紅茶と向き合うと、新しい発見や希望が見えてきます。
そういう意味でも、日本以外の紅茶に触れることは非常に大切なのです。
【茶葉】
茶葉が限りなく細いです。
それもそのはず全部心芽です。
手摘みで摘んで、きっちり加工して、更に手作業で取り除く。
気が遠くなるような作業のはて、これを集めるという紅茶です。
見た目から、その芸の細かさを感じます。
中国のお茶は、下を見れば果てしなくキリがないですが、
同時に上を見ると日本の紅茶が今のままじゃどう頑張っても届かないくらい果てしないものがあります。
こういう見た目は非常に大事です。
ちなみに、この時点で香ばしい濃い香りが立ち上ります。
【水色・味・香り】
3分淹れました。
水色は、薄く茶色がかった黄色です。
香りは、強くほんのり甘い香りと柑橘系の花のような香りが存在感いっぱいに立ち上がります。
味は、やや薄く白湯っぽさがありますが、ほんのり甘く香ります。
味の系統は、国産紅茶的にいえば清廉系です。
しばらく淹れると、このようになりました。
水色は、透明度の高い濃い目の朱色になりました。
香りは、ほんのりとカラメルの甘い香りがします。
味は、ふっと渋みが通り抜けますが、香ばしさが口いっぱいに広がります。
この状態であれば、何も入れず淡々と飲む紅茶だなとふとお思います。
温度が落ち着くと、ガツンと濃い渋さと風味が鼻から一気に抜けていきます。
非常に力強い紅茶です。
【茶殻】
茶殻は、心芽が一気に水分を吸い込みふんわりと膨らんだような形状です。
元々のサイズの5倍増しぐらいのサイズまで大きくなってます。
茶葉の時に感じた軽さは微塵もなく、非常にずっしりとした重厚感を感じます。
たかがお湯につけただけなのに、ここまで姿が変わる紅茶は、ほぼ日本に無いです。
そういう意味でも、日本の紅茶が目指しうる目標の一つとして充分すぎるのもでしょう。