べにほまれが話題! 実は、べにほまれの子供たちも優れた紅茶だと知ってますか?
テレビ番組で三重県のべにほまれの紹介がされて、一躍検索数が増えた『べにほまれ』
三重県だけ取り上げられていたようですが、べにほまれは現在
・沖縄県
・大分県
・奈良県
・静岡県
でも作られ、各々の地元で購入することが出来ます。
(沖縄のは難しいかもしれませんが)
ですが、べにほまれはアッサムより持ち帰ってきた種を日本で育てて長い時間かけて選抜したべにほまれは、のちの世である現在に至るまで、優秀な紅茶品種を生み出す母体になっています。
そちらにも注目していただけると大変ありがたいです。
べにほまれ の種から生まれた『いずみ』
いずみは、べにほまれから生まれた種から育てたお茶の木の中から、更によりすぐって選び出した品種です。
お茶がまだ輸出品目として作られていた時は、紅茶の他に北アフリカ向けの釜炒り茶として生産されて多く輸出されていたそうです。
温暖な気候を好み、生育がいいので年間6回も摘採できる優秀な品種でありました。
この品種も、紅茶の自由化の煽りを受け、お茶の輸出激減とともに生産地から姿を消していくことになります。
現在では、日本全国において生産が確認されています。
いずみの紅茶は、アッサム系の芳醇な香りが特徴のいい紅茶です。
(参照:かまい り茶用新登録品種 「いずみ」について – J-Stage)
べにほまれ を母としてうまれた『べにふじ』
べにふじは、べにほまれと中国種との掛け合いで生まれた品種です。
生産量が紅ほまれの倍で、数多く収穫出来ました。
こちらも海外輸出用の品種としてそだれられ、静岡県で見受けることが出来ます。
紅茶の品種なのですが、比較的寒さに強く、東海圏や近畿圏などで生産されていたようです。
これはまだ先ですが、大分県でも数年後に生産が開始される可能性があります。
復活が楽しみです。
(参照:紅茶用新登録品種「べにふじ」について – J-Stage)
べにほまれ を母として生まれた優等生『べにふうき』
紅茶の自由化直前から開始され、現時点で『最後の紅茶品種』になってしまったのが、このべにふうきです。
紅茶としてよりも、その中に含まれる『メチル化カテキン』の含有量の多さから、花粉症対策の緑茶として日本海側から東は関東、西は九州沖縄まで広範囲に広まった品種です。
花粉症対策に使うという目論見は、今のところ大失敗になっていますが、広め方によってはまだまだ余地がありそうです。
現実的に『べにふうき緑茶が花粉症に効く』というのは、一般的に広まっていないというのが、いろいろセミナー等開いてみた実感です。
このべにふうきは、紅茶としても優秀で、このべにふうきを元に作った紅茶がイギリスの国際的な食品コンテストで5000点出品された世界中の紅茶の中から4年連続で金賞を受賞していたりします。
しかもどこでも安定してそだてられ、ちゃんとした紅茶の加工技術があれば、どのべにふうきも香り高い芳醇な紅茶に仕上がることが出来ます。
紅茶として実に優等生な品種なのです。
(参照:幻のお茶といわれた「べにふうき」 – 農研機構)
日本の数多くの紅茶に向いた品種に目を向けましょう
時より、各メディアで取り上げられる頻度が多くなり、じわじわと認知されてきつつある国産紅茶ですが、特定の茶園とか特定の品種だけにとらわれないでほしいというのが本音です。
今、全国で400茶園で紅茶を生産しており、生産高も120tほどになります。
(※2014年時点)
現状として。『売れるだけ作るので精一杯』というのが実情です。
お茶の主力が緑茶なので、『国産紅茶を増産』とすぐには行けない実情はありますが、その数少ない生産量の中でも気に入った紅茶を見つけていただき、それをリピート購入していただくことで、国産紅茶の生産を続けることが出来ます。
国産紅茶を知る機会というのはなかなかないと思いますが、当サイト京都紅茶道部でもイベント開催や情報提供など常時行っていきますので、お出かけの上お探し願えれば幸いです。
国産紅茶でも、得られる『幸せ』というものはあるものです。
この記事を読んでくださった貴方の生活の一部になって、癒しになるよう心から願っております。