お茶 紅茶

僕が紅茶好きだと言ったら友達は笑い出しました。でも目の前で淹れ出したら・・・

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紅茶を安定して淹れられるようになったきっかけ

昔話になるのですが、僕自身はお茶は物心ついた時から好きだったのですが、明確にお茶好きを公言したのは21歳の春先でした。
一番のきっかけは、19の時にティーハウス高野さんの本を読んで、紅茶をちゃんと淹れる技術を習得したことによります。

それまで、随分あやふやな状態で紅茶を淹れていたのですが、それからはきっちりと安定して紅茶を淹れられるようになり、どの茶葉でもその茶葉のスペックを引き出し切る様になりました。
美味しい茶葉はより美味しく、それなりの紅茶も可能な限り、うまく淹れられるようになり、いろんな意味で安定させることができました。
この本との出会いがなければ、お茶を飲み続けようと思わなかったかもしれません。
そういう意味でも、この本は僕のお茶との付き合いには無くてはならない一冊になっています。
それから2年あまり、淡々と、スーパーで売っている紅茶のリーフを淹れ続けていました。

みんなにお茶好きだと言った初めての日

僕は18になってすぐから21歳の3月までの約4年間大阪で生活をしていました。
21の終わりに実家の金沢に帰らなくいけなくなった時に、地元の友だちに帰ることと、みんなで集まろうかという話をしていました。
そこで、やはりお酒を飲む話とかになるのですが、それはそれで行うとして、どこか落ち着いて話とかできる機会が欲しいと思い、普通に飲み物と食べ物を持ち寄って集まろうという話をしました。
その際に、提案内容に『俺が紅茶を淹れるよ』という事を言いましたら、気心の知れた友達たちは皆声を揃えて笑いました。
『お前が紅茶だってww』
俺のイメージは、大酒飲んでガハハ笑うというものだったそうで、一般的な『紅茶のイメージ』を持っている友人達には到底信じられない出来事でした。

正直、僕の中の何かに火が付きました。

『みんなを必ず紅茶で驚かせてやる』

当時、西日本には大阪にしかなかったレピシエ(現ルピシア)に行き、ダージリンのSFと甘めの香りのフレーバードを一つづつ買い、ある程度使い、練習しました。
友達に、その時点での最高の技術を見せつけてやろう、そう心に誓いました。

ポットから注がれる紅茶、言葉を失う友人達

無事、故郷金沢への引っ越しも終わり、友達との久しぶりの再会の日を迎えました。
みんなで集まった場所は、どこかのレンタルスペースとかじゃなくて、友人の家で一番広い家に住んでいる所であつまりました。
当時は、今のような魔法瓶淹れをしてませんでしたので、手持ちのティーポットを持って行いきました。
みんなでお菓子を食べ、ジュースを飲み、最後にケーキをくおうとした時に、
『なあ、例の紅茶、ここで入れてくれよ』
と友達がニヤニヤしながら振ってきました。
もちろん、僕は待ってましたとばかりに
『じゃ、台所借りるよ。待ってろよ』
と一式抱えて、友人の家の台所に。

友達のお母さんが真横にいる状態で、甘めのフレーバードから淹れました。
これは、『まずは、ケーキに会う紅茶から』という僕の目論見からです。
予熱用と淹れる用の水をきっちり計ってヤカンに入れて、ふつふつ泡が出だした所で、ポットに予熱用にお湯を注ぐ。
ポットに触りながら温度を確認しながらヤカンの様子を伺ってました。

終始、友人のお母さんは関心しきり。

もう沸騰だな、と思う直前に予熱のお湯を捨てて茶葉を人数分入れて、勢い良く沸騰しだしたお湯をポットに一気に注ぎ、蓋をしてタオルでぐるぐる巻にして、3分計をスタート。
時よりタオル越しにポットを触りながら確認して、時間の経過をまちました。
タイマーが鳴ったら、タオルを外したポットと空のカップをお盆に乗せて戻りました。

『ここで注ぐのか』

みんなが注目するなか、ポットから茶こし越しにカップに注ぎ込みました。
カップから立ち上る香りで、みんなが黙りました。

未知の味は饒舌に語る

人数分入れて、みんなの前に配り
『砂糖はお好みでな』
と一言いうと、僕は自分の分に適量の砂糖を入れて、ケーキと紅茶で黙々と食べだしました。
みんなが恐る恐る紅茶を飲み、合わせてケーキを一口。
『合う』
ぽつりぽつりと、お互いを確認し合うようにつぶやきだしました。
『こんな紅茶飲んだの初めてや』
内心、僕は『勝った!!』と思いました。
ただ、よく考えたら、当時一般的な紅茶専門店はなく、紅茶はスーパーで売っている日東紅茶かリプトンか値段の高いトワイニングぐらいしかなかった時代でした。
意識している人は、百貨店で購入して飲んでいたのかもしれませんが、少なくともうちの友達の中ではそういうことをするのはいませんでした。
そういう意味でも、彼らにとって『面白い紅茶』との初めての出会いだったのかもしれません。

続けて、ダージリンのSFを淹れてきました。
個人的には、『紅茶と言っても、物によってまるっきり違う』事を体験してもらいたかったという考えでした。
もちろん、よみは大当たりで、『今まで飲んできたダージリン(と思ってた紅茶)とは違う』と言われました。
『まるで、専門店の紅茶みたい』と。
当時21歳の自分にとって、嬉しい一言でもありました。
味でも、人に饒舌に語りかけられるということを実感したわけでした。

それ以後、『こいつは紅茶が好き』という認識は受け入れられました。
今でも、帰省したら『紅茶の飲める所へ連れて行け』で充分通じたりします。

後日談

それからしばらくして、その年の夏頃に、友達と遊びに行くために、当時住んでいた兄の家に迎えに越させた時に、熱い中来てもらったので、アイスチャイを目の前で淹れました。
そうしたら、その友人が
『あの時のケーキと一緒に食った紅茶が忘れられないんだよね』
と言いました。
正直、なんの商品を飲ませたのか忘れてしまったんで、もう買いに行くことは出来ませんが、半年位たった後でもそう思わせる味の記憶というのは、実に強いなと実感出来ました。

ただな、フルリーフのアッサムで濃い目に入れたアイスチャイ飲みながら、言うセリフじゃねえよな。それはよ。

-お茶, 紅茶

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