現在、お茶の業界そのものが抱えてる問題として、
・毎年、消費量が減って行っている
・とりわけ、若年層の消費者が少ない
があげられます。
2009年に龍谷大学が調べたデータによりますと、
緑茶は、60歳以上に良く消費され、
紅茶は40歳~59歳までの層に支持されてます。
ただし、若年層にも全く無いかというと層でもなくて、
緑茶は50歳を超えると消費が増えており、
紅茶も、30代を超えると増える傾向にあります。
ただ、消費者物価指数に平行せずに、
お茶の価格は低い水準を維持されてます。
昨今のデフレとリンクしているという言い方も出来ますが、
ペットボトルのお茶の普及により、
単価を高めに設定できる茶葉の購入量・金額とも96年ぐらいから下降しており、大手が一気に買い上げていくため単価が低くなるペットボトル・茶飲料は上昇しております。
実は、この『お茶飲料を飲む』という傾向は、
ここでもちょくちょく紹介させていただいてもらってます
神奈川の磯淵さんの公演や著書でも書いておりまして、
提携されてます某ハンバーガーチェーンでは
『パテもパンも落ちてるのに紅茶だけ何もしないのにのびるんだよね』
と話をされてたそうです。
(ああ・・・、行きたいけど、関西は難波と阿倍野しかねえよ・・・orz)
つまり、お茶が食べものと一緒に飲まれてる傾向が主だと
いえるのかもしれません。
考えてみればそうかもしれませんね。
・食べ物屋では、お茶を頼みます。
・家で食べる時も常備のお茶があります。
・コンビニでも弁当とお茶がセットで売れます。
・時代劇でも団子屋にはお茶が付き物です。
なのに、『リーフが~』とか『急須が~』とか言ってても始まらないな・・・
って感じです。
消費は確実にされてます。
ですが、実体がまぎれて見えないのが実情かもしれません。
例えば、煎茶道にしても茶道にしても、男性の師範は多いですが、
ほぼメインは女性です。
こちらをご覧になられてもわかるとおり、紅茶教室も女性が多いです。
ですが、去年の宇治の玉露講習(通信教育のスクーリング)でも、
ルピシアのイベントでも、世界お茶祭でも男性はかなり来てました。
ルピシアのイベントに関しては、
『女性が8割かな』と思いきや、見た感じ男性が4割ぐらいいました。
需要が完全に埋もれてるのです。
第一、茶葉の品種・淹れ方・鮮度など、
細かくウンチクを言うのは、ほぼ100%男性です。
(僕は、『紅茶は100度じゃ!』『緑茶は1煎目が70度じゃ!』と単純化する人です)
拾い上げれるのかあげれないのかはわかりません。
ただ、需要を汲み取れないまま
衰退していくのはおかしいなと思うんですよね。
といっても、こう書いてる本人、
どういうマーケティングしたらいいか悩んでます。
『お茶なんか、うだうだ言わずに基本だけ守れ!』
といいたいんですがね。
カップめんと同じだと思うんですよね。
『沸騰したお湯を入れて3分』
(物によっては、5分だったり1分だったり・・・)
どこかで誰かが、お茶を難しいもののままにしたがってる。
そんなんじゃ、お茶も和服と同じ運命をたどるぞ・・・
比率の謎
投稿日:2011年6月1日
執筆者:【国産紅茶専門家】みこどん