まず、静岡でべにふうきの和紅茶を知る前に、和紅茶とは何か、ということをご存知でない方はこちらを御覧ください。
「和紅茶といえば、べにふうき」
そう言う人も多いでしょう。
日本全国で多くの農家さんが紅茶を作っています。
そして、べにふうきを育てて、それを紅茶にしている人もたくさんいます。
『静岡は日本屈指のお茶処、だから静岡のべにふうきを飲んでみたい』
という方は多くいます。
正直、至る所で作ってますが、どこがどういう紅茶を作ってるかわかりません。
今回は、べにふうきとはなんなのか、という点のおさらいをしていただきます。
合わせて、おすすめの静岡県産のべにふうきの紅茶を買える所を紹介します。
みなさんのティーライフのお役に立てれば幸いです。
『べにふうき』とはなにか
ここでは、べにふうきとは一体何なのか、という事を知りましょう。
もう、和紅茶の代表として語られる「べにふうき」ですが、べにふうきそのものが何を意味するのかという事を知らない人も多いです。
商品名やなにかの特徴、もしくは「紅茶の種類としての名前」と思っている人も多いようです。
最初に、べにふうきがなにか知ってから、静岡でべにふうきの和紅茶を探すことをしてみましょう。
品種として
べにふうきとは、以下のような品種です。
『1993年に命名登録 (農林登録) 、1995年に品種登録 (種苗登録) された、日本で初めての紅茶・半発酵茶兼用品種です。』
(参照:農研機構・野菜茶業研究所「べにふうき緑茶の研究情報」より)
日本生まれの品種ですが、もともとアッサムやダージリンから持ってきた茶の木から選抜した品種をかけわせたものです。
そもそも、緑茶にむく品種ではありません。
(がんばって加工すれば緑茶でも飲めますが)
実際、紅茶として開発された品種ですので、現在では紅茶として作られています。
ただ、全国のべにふうきの紅茶が同じ様に作られているわけではありません。
そこは、農家の個性や知識、技術の差がでるというところでしょうか。
べにふうきの特徴
有名なべにふうきの特徴は「メチル化カテキン」が豊富なことでしょう。
メチル化カテキンとは、以下のようなものです。
『茶葉中に含有されるポリフェノールの1種で、茶葉に最も多く含まれるカテキンであるエピガロカテキンガレートの一部がメチル化されたもの。』
(参照:農研機構 メチル化カテキンについて)
メチル化とは、「さまざまな基質にメチル基が置換または結合することを意味する化学用語である」です。
(参照:ウィキペディア メチル化より)
普通のカテキンが、メチル化という作用で一部置き換わっている状態、と考えて下さい。
このメチル化カテキンは、花粉症などアレルギー症状の緩和の臨床データが得られている物質でもあります。
花粉症対策として活用されてます。
このようなことから、べにふうき緑茶などは、健康茶として知られています。
紅茶としてのべにふうき
べにふうきは、紅茶になると普通の紅茶になります。
メチル化カテキンは酸化発酵によりメチル化が解除されます。
そして、普通の紅茶ポリフェノール「テアフラビン」などに変わります。
よって、紅茶のべにふうきで花粉症対策を謳ってる商品は、嘘の説明をしていることになります。
テアフラビンなど抗酸化作用の強いポリフェノールとしての飲み物としては期待できます。
ですが、緑茶で謳われていたようなことはありませんので、ご注意下さい。
そもそも紅茶品種として育成されましたので、安定して高品質の味と香りの紅茶を作ることが出来ます。
そういう意味で、べにふうきは紅茶で飲みたいものです。
静岡でべにふうきの和紅茶を買える所
べにふうきの紅茶は、静岡県内で多くの茶農家さんが作っています。
なので、べにふうきの紅茶が欲しい、というだけならば、静岡県内で困ることはありません。
ですが、紅茶の品質は、農家に寄ってバラバラです。
ちゃんと紅茶として仕上げている所もあれば、まだ紅茶の生産そのものが手探りなところもあります。
その中で、紅茶として定評のある静岡のべにふうきの紅茶を紹介します。
丸子紅茶:静岡県静岡市駿河区丸子
平成元年頃から紅茶を作っていることで知られている丸子紅茶さんです。
丸子紅茶さんは、全国から紅茶づくりをしたい農家さんに、紅茶の作り方を教えていることで知られています。
この紅茶も扱っているお店も多いです。
静岡だけではなく、全国のお店で丸子紅茶さんのべにふうきの紅茶を楽しむことが出来ます。
もしかすると、お近くのお店でも扱いがあるかもしれません。
一度探してみてもいいでしょう。
水車むら農園:静岡県藤枝市瀬戸ノ谷
1985年から紅茶づくりを始めた農家さんです。
1971年の紅茶輸入自由化以後に紅茶づくりを開始しした所で言うと、非常に長く紅茶生産を行ってきた生産者さんです。
水車むら農園さんに紅茶の生産研修に来た農家さんも多くいます。
こちらは通販を積極的に行っています。
少し検索すれば、静岡だけでなく、全国でも買えます。
気になる方はぜひ検索してみて下さい。
静岡紅茶株式会社:静岡県静岡市駿河区大谷
「最高水準の紅茶づくり」を目指して紅茶づくりをしていることで知られる静岡紅茶さんです。
この紅茶は、イギリスのグレートテイストアワード2年連続三つ星受賞したことでも知られています。
サロンの経営もしています。
紅茶を作って提供するだけではなく、その活用法やセミナーも行っています。
幅広い紅茶の体験をすることが出来ます。
主に静岡で手に入れることができます。
通販でも買うことが出来ますので、気になる方はぜひ注文をしてみて下さい。
静岡でべにふうきの和紅茶で、初めての和紅茶を美味しい体験にしましょう
べにふうきの和紅茶は、比較的手に入りやすい紅茶です。
ましてや、日本で有数の紅茶の産地になった静岡県では、より一層手に入りやすい紅茶です。
ですが、購入には、注意が必要です。
そのべにふうきの和紅茶が、自分自身の口に合うという保障が無いからです。
そのため、安心て購入ためには、いくつかのプロセスが必要です。
- 試飲できるか
- アソートパックなど小分けしたものがあるか
- だれか知ってる人から飲ませてもらうことはできるか
- そもそも自分は紅茶が好きなのか
安心してべにふうきの紅茶を買うために、可能であれば、これらの方法を試してみましょう。
無理ならば、思い切って買いましょう。
自分に合う和紅茶は、数を飲んでみないとわかりません。
これは、10年前も同じですし、今後も同じです。
ちょっとした冒険になりますが、ぜひ勇気を振り絞って多くの和紅茶をお試し下さい。
静岡でべにふうきの和紅茶で地産地消にも貢献できる
地元で紅茶を買うということは、地元経済に貢献できるということになります。
この話は、静岡県に住んでいる方に向けてかもしれません。
静岡県で作られたべにふうきの和紅茶を、住んでる静岡県で楽しみます。
ただ、その経験は、静岡県に住んでいる自分だけのためではありません。
お茶のつながりは県をまたぎ広がっています。
その知見や体験は、多くの人たちに共有されます。
そして、その話を聞いた他の地域の人達が、静岡県でべにふうきの和紅茶を買ってみようというきっかけを得るのです。
結果的に、自分だけではなく、多くの人達の手に届き、自分を中心とした「地産地消」に貢献することができるようになります。