お茶 半発酵茶

日本における中国茶と言う立ち位置

投稿日:2015年11月15日

中国茶の専門家による中国茶現代史

お茶仲間の中国茶の専門家「あるきち」さんが、自身の中国茶ブログが10年を迎えたという事で、今一度「中国茶と日本とのかかわり」をまとめておられております。

日本での中国茶の歴史を振り返る-(1)中国茶との遭遇

日本での中国茶の歴史を振り返る-(2)現地で美味しいお茶に出会った人たち

日本での中国茶の歴史を振り返る-(3)書籍が生み出したブームへの流れ

日本での中国茶の歴史を振り返る-(4)新世代の店舗が続々オープン

なぜ「中国茶」としたのかと言うと、元々日本のお茶は今の中国に当たる中華国家への留学生や渡来人がもたらした「中国茶」であるという事です。
記事内では、あるきちさんはわざわざ触れていませんが、私は「日本人とお茶のかかわり」を時系列に説明したいと思います。

・日本にお茶が伝わったのは奈良時代、留学僧がもたらした。当時は今でいう「団茶」と言われる固めた後発酵茶であったらしく、崩して煮て煮汁を飲んでいた。お茶は名実ともに薬である。
 時の天皇は勅令で近畿一円に茶園を作らせて献上させていた。
 ただ、お茶はあくまでも天皇を含む上流階級貴族及び裕福な寺社の社交的な趣味として扱われていた。
 一般化とは程遠い。
・鎌倉時代の僧、栄西が日本にお茶を再びもたらす。これにより、九州博多、京都(栂尾高山寺)、静岡にお茶が植えられ栽培が再開される。茶道につながる。
・江戸時代の僧、隠元禅師により今でいう「煎茶」がもたらされる。現在の「煎茶道」につながり、今でいう「お茶を飲む」と言うのは、この「煎茶」による淹れ方が主流となる。

歴史を書くのは、歴史そのものをライフワークとしている僕の役目です。
(と言っても、歴史のライフワークとしているのは蘇我三代で、お茶はついででありますが)

「あれ?紅茶は?」って人もいると思います。
今回は中華国家と日本のお茶の関係及び中国茶のお話ですので、紅茶は詳しく説明しませんが、2点だけ書きます。
・日本人の現在最古の紅茶の資料は17世紀の青湾茶話。
・日本人が飲む習慣として紅茶を飲むようになったのは紅茶自由化(1971年)以降
日本人と紅茶のかかわりはいずれ書きたいと思います。

このように、お茶とは渡来の仏教や文化・習慣などと密接にかかわるいわば「文化的な飲物」と言えるでしょう。
それが上流階級から始まり、各時代の支配者によって一般的な趣味として普及をしていき、次第に食文化の一つとなっていったのです。
日本における「お茶」は、文化や食に次第にかかわってくるようになってきましたが、いわば「中国茶」は日本の文化にとっては新参のお茶文化となります。

中国茶の一般解釈

中国茶のブームは、いわば「烏龍茶」のブームと同じです。
健康ブームに必ず登場し、70年代には「ダイエットに効く」と言われ、昨今では「烏龍茶ポリフェノールがガンに効く」と言われ飲まれています。
ですが、健康をキーワードにしたブームは定着しません。
ダイエットに効く食材は次から次へと登場し、烏龍茶はあっという間に淘汰されました。
ポリフェノールも、次から次へと新しいポリフェノールが発表され、存在感が薄くなっています。
さらに、烏龍茶を「淹れて飲む」という事はありません。
既に出来上がってる液体を買ってきて飲むというのがほとんどです。
そのことから「烏龍茶と緑茶は茶の葉からできている」という事を知らない人も多くいます。

「烏龍茶なら何でもいい」「毎日飲むお茶にお金をかける気はない」という消費者心理も手伝い、多くの烏龍茶はティーバッグとして販売されております。
緑茶でも紅茶でも同じですが、安く提供される商品の中身は、それに見合った品質でしかありません。
中国や台湾に行き、「おいしい中国茶」を知った人達にとって、この現状は歯がゆいものと言えるでしょう。

ですが、現在の烏龍茶はいまだ「ペットボトル」と「ティーバッグ」です。

これからの中国茶の向かう道

「本当に美味しい中国茶」を知った人達は、お店を展開したり、「先生」として広く人に知ってもらう環境をつくっていっています。
あるきちさんのように、メディアを作り手軽に良質な情報にアクセス出来る環境を作っている人もいます。
一部のお茶好きの人たちにより「美味しい中国茶」が認知され、飲むお茶の一つとして浸透していっています。

ですが、真にお茶の普及を考えるなら「今お茶を飲んでいない人に知ってもらう」事が必要となります。
人は少しでも良いものを手に入れようとする欲求はあります。
ですが、その人達の固定概念があると、「烏龍茶はペットボトル」と決めてしまって、おいしい烏龍茶へのチャンネルを作れない環境になってしまいます。
この人たちの生活習慣や行動範囲の中にいかに入り込み、目に触れるか。いかに興味を示してもらえるか。
知ってもらう事と選択肢に入れてもらえることこそ、これからの「美味しい中国茶」の方向ではないでしょうか。

烏龍茶も紅茶と同じく人の生活を豊かにできるツールです。
人と語らいながら、薫り高いお茶を囲むことで、うまれる関係もあります。
その際は是非、「おいしい中国茶」も中心に添えていただきたいものです。

-お茶, 半発酵茶

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