大手メーカーが「国産発酵茶」に参入
2月に入り、大きなニュースが2つ入ってきました。
~ 国産茶葉を使用して作り上げた、日本品質の烏龍茶 ~
『にっぽん烏龍』
2015年3月9日(月)より全国で新発売
(ポッカサッポロ)
国産茶葉100%使用
「日本の烏龍茶 つむぎ」 3月16日全国発売
~丁寧な仕事が生み出した、日本の“味わい烏龍茶”~
(コカコーラ)
ついに大手メーカーが参入できるくらい生産量を確保した茶園が出てきたのか・・・
とこの発表の時は思いました。
ポッカサッポロは、日本で一番早く一番茶を出荷する屋久島と日本のお茶の最大の生産地静岡の茶葉をブレンドし、コカ・コーラは「国内有数のお茶どころで育まれた国産茶葉を100%使用し」とあるので、静岡100%かなという気がします。
(あくまでも「気がします」)
ドリンク販売は、例えば伊勢の和紅茶や四万十紅茶「四万十レッド」など地方限定で発売をし、通販などで全国発送をしているものは見かけます。
ただ、どこも大手が全国規模で販売できるほどの量でもなく、そのためには最低でもトンレベルの生産量が必要だといわれています。
それを行ったという事は、トンレベルの茶葉を通年確保できる環境になったか、もしくはそこまで量を使わなくても味を出せるようになったかという事が考えられます。
ただ、国産烏龍茶をはじめとする「国産の発酵茶」の全国発売は、少なからず影響を与える出来事となります。
国産烏龍茶「つむぎ」を飲んでみた
パッケージが青なのは、烏龍茶を「青茶」と言われるところからきてるのかな・・・
なんて思いました。
(多分、違うと思いますが。ただ、ポッカサッポロも青なんですよね)
味を見る時に2つの方法で見る事にします。
・冷たい状態
・暖かい状態
それを、聞香杯に移してから、茶杯でのむ「烏龍茶を飲む方法」で確認してみました。
暖かくするのは、鍋で温めて茶壺に注いで。
冷たいのは、そのまま聞香杯に注いで。
冷たい状態では、聞香杯での香りはほぼせず、飲んでから香りと味が出てきました。
冷たいお茶は、大体香りが移ることがほぼないのでこんなものかなと。
他の人から「火香のする一般的な国産紅茶」と言われてましたが、ほぼその通りかなと。
香ばしめの強い香りと国産紅茶専門店紅葉のオーナー岡本さんの分類における「滋納」の風味です。
烏龍茶というには弱く、香ばしさは岩茶に及ばず、凍頂烏龍のような華やかさは感じられず。
食べ物との相性は良さめかなという「滋納系国産紅茶の特徴」が強く感じました。
温めると聞香杯に香りが移りましたが、軽い香ばしさが移った程度。
飲むと滋納系の穀物っぽい香りが広がる飲み口です。
癖が少ないので、それなりに食べ物と合わせて調整をしたのかなと思いました。
伊勢の和紅茶や四万十レッドなどと比較すると濃い目の味になってますが、やはり烏龍茶というよりかは国産紅茶でこれ単体でお茶を楽しむのかと言われると違うなと思います。
ただ、滋納系なので、夏場にこれのビッグサイズ(900mlなど)がでると、良いのではないかなと思います。
滋納系の国産紅茶は夏場の酷暑に合う。これはあくまでも僕の持論ではありますが。
大手メーカーの国産発酵茶算入はまだあるのか?
大手メーカーの計画を知る立場には、今の僕自身には残念ながらありません。
ただ、この2商品が一定期間を経て、成果をみれば、参入するメーカーも出てくるのではないかと思います。
ただ、国産の発酵茶そのものは多くて150トンしかなく、期間限定では作れても通年提供できる量ではありません。
そこで、次にとる方法としては海外の烏龍茶と国産の烏龍茶のブレンドが考えられます。
烏龍茶と言えば中国というイメージが強いですが、中国で作られているお茶は緑茶がメインです。
烏龍茶が中国でしか作られていないかと言われるとそうでもなく、広く台湾・東南アジア・オセアニアでも作られています。
今は円安で輸入に関するデメリットばかり注目されますが、各国から広く集める事で、中国に依存しない国産烏龍茶を混ぜたオリジナルの烏龍茶を作る事も可能です。
「国産100%」という言葉に訴求力があるので、これを何としても採用したいという事はあると思いますが、「国産茶葉使用」と謳い、例えば51%とか1/3など多くをブレンドしながら作るという選択で安定した品質の新しい烏龍茶を作る事もできるのではないかと思います。
これを機に、国産紅茶や国産烏龍茶の生産が伸びればいいのですが、一時のブームで終わってしまうのは避けたいところですね。