梅シロップをご存知ですか?
6月に入ると、梅の果実が流通し、梅酒や梅干しなどを作り始める人が多くなります。
毎年の風物詩と言えるでしょう。
近年、梅酒というお酒ではなく、ジュースとして飲めるものを作ろうという人が増えています。
それが、梅シロップです。
家庭で手軽に作れることと、酔うことがないので、子供がいる家庭などでよく作られています。
普通、梅シロップを作るとなると短くて3ヶ月、長くて1年かかる場合があります。
流石にそこまで待てない、と言う人も多いでしょう。
今回は、1日で梅シロップを作る方法をご紹介します。
合わせて、梅シロップのいろんな活用法もご紹介します。
もちろん、お茶をつかった方法もあります。
梅シロップとは
梅シロップとは、梅を砂糖など甘味料に漬け込み、果汁を出した甘酸っぱいシロップです。
多くの場合、梅と氷砂糖を漬け込んで作ります。
水やソーダーと割って梅のジュースを作る人が多いです。
または梅の甘味料として、お菓子作りの材料にしたり、かき氷のシロップに使う人もいます。
酸っぱさと甘さという特徴を生かして、いろんな切り口を試すことが多いものです。
梅のシーズンに作り始めて、1~3ヶ月で梅果汁がにじみ出て完成されます。
多くの場合、時間をかけてゆっくりと作るようです。
ですが、この記事では、1日で梅シロップを作る方法をご紹介します。
梅シロップの作り方とレシピ
上記でも説明した通り、梅シロップは梅果汁を浸透させて作ります。
梅と砂糖があれば基本的にできます。
ですが、作り方次第で出来上がる期間も味も風味も変わってしまいます。
よくある梅シロップを作る失敗を避けるために、注釈をよく確認して作ってください。
材料と道具
材料は以下の物を使います。
- 梅(完熟):1kg
- グラニュー糖:1kg
- 茶梅にするなら、お茶:5g
道具は以下のものを使います。
- 殺菌洗浄用のアルコール:焼酎・ホワイトリカー1本
- 大きめのボウル:2つ
- 5合炊きの炊飯保温ジャー
- 10Lの梅酒を漬けるボトル(プラスチックでもガラスでも可)
上記の量以上に作りたい場合は、材料を同比率で増やしてください。
殺菌洗浄用のアルコール・ホワイトリカーについて、アルコールがだめな人は、熱湯でも代用は可能です。
ただし、熱湯殺菌なので、火傷に注意してください。
多くの人は、グラニュー糖ではなく氷砂糖を使うかもしれません。
今回作る方法では、グラニュー糖であるほうが確実に作れるのでそうしてます。
氷砂糖を使う事も止めませんが、出来上がらない可能性があります。
さらに、低カロリー糖などはシロップにならない為、使えません。
グラニュー糖半分と低カロリー糖半分の場合できるかもしれません。
その際は、梅を予めグラニュー糖にまぶして間を埋めるように低カロリー糖を使ってください。
なお、グラニュー糖の代わりに上白糖は使えます。
手順
梅シロップを作る手順は以下の通りになります。
- 梅のヘタをとる
- 梅を洗う
- 梅を消毒(アルコール or 熱湯2秒)する
- 軽くグラニュー糖にまぶす
- 炊飯器に、砂糖と梅を少しづつ交互にいれる
- 炊飯器を保温にして、24時間以上待つ
- 砂糖が溶けてシロップになってることを確認する。砂糖が残っていれば混ぜて引き続き保温する
注意点は、梅のヘタをとることと、梅を消毒することです。
梅はヘタの部分に漬けている時に発酵させる菌が常在しています。
そして、その菌を消毒させることは、梅シロップを漬け込んでいるとき、さらに保存しているときの発酵を防ぎます。
梅と砂糖を漬け込んでシロップを抽出させることに重きを置く人が多いですが、梅の消毒洗浄は重要ですので気をつけてください。
ちょっとこだわった梅シロップの使い方
梅シロップを普通に作ると、梅風味の酸っぱくて甘いシロップです。
そこで、いろんな方法で特徴のある梅シロップを作りましょう。
梅と砂糖で作ることだけが作り方ではありません。
他の材料を組み合わせることで、いろんなタイプを作れます。
その一部を紹介します。
オリジナルの梅シロップを作ろう
梅と砂糖を合わせる時に、一部の材料を変えます。
- 砂糖をはちみつに変える
- 砂糖の半分を低カロリー甘味料に変える
- 黒砂糖を使う
- キビ糖を使う
上記でも触れましたが、低カロリー甘味料だけで梅を漬け込むと梅シロップはできません。
なぜかというと、梅から水分を引き出せないからです。
梅シロップは梅果汁ですので、梅から果汁を引き出すために砂糖もしくは浸透させられる甘味料が必要となります。
この点を注意すると、いろんな風味を作ることができます。
お茶を入れて「茶梅」を作ろう
茶梅とは、シロップを出したあとの梅を食べる為に作ります。
主に台湾で盛んに作られています。
ただ、通常の梅シロップと違い、梅にこだわってください。
出来上がりの梅を美味しく食べられるような梅を選ぶことが重要になります。
ここでは、完熟梅を使う事をおすすめします。
完熟梅で作ると、肉厚でふわとろの梅が出来上がります。
これを青梅でつくると、しわしわで硬い梅になります。
茶梅を作る場合は、梅シロップの作り方と違い、手順が途中で変わります。
- 梅のヘタをとる
- 梅を洗う
- 梅を消毒(アルコール or 熱湯2秒)する
- 軽くグラニュー糖にまぶす
- 炊飯器に、砂糖と梅と茶葉を少しづつ交互にいれる
- 炊飯器を保温にして、24時間以上待つ
- 砂糖が溶けてシロップになってることを確認する。砂糖が残っていれば混ぜて引き続き保温する
- 熱湯もしくはアルコール殺菌済みの保存用のボトルに入れ替える
- 冷温じゃなくていいので暗所で保存
- 3ヶ月以上つけおく(推奨1年間)
ここでの注意点は、ボトルの保存です。
炊飯器で保温がおわったあとは、それなりに加熱されている状態にあります。
その状態で茶葉が入ってることが重要です。
お茶は水分と加熱で成分を出します。
水出し茶も人気がありますが、やはりある程度加熱されている状態と比べるまでもありません。
ボトルに移し替える時は、温度に気をつけながら、お茶がどの様に混ざり込んでいるか確認をしていきましょう。
完熟梅と青梅を使った時の違い
梅シロップを作る時に、完熟梅を使うと出来上がりを2度楽しめれます。
実際に、スーパーなどで売ってる梅が。青梅であることが多いでの、検証をしづらいかもしれません。
ですが、完熟の梅は取引店、もしくは八百屋などの専門店で手に入ることがあります。
気になる方は、ぜひ試してみてください。
完熟梅でつくると、梅がプルプルに肉厚になり、食べやすくなります。
青梅でも、削って果肉や皮を集めてジャムにする人もいます。
再利用という点で考えると、完熟梅で作るほうが楽なので、おすすめします。
私は、梅シロップや茶梅を作るときは、下記の青谷梅工房さんで完熟の「城州白」という京都の品種の梅を購入させていただいております。
青谷梅工房(京都):https://aodaniumekobo.com/
梅シロップで作るデザート
梅シロップでつくるデザートとして、以下のものが上げられるでしょう。
- ゼリー
- ジャム
基本的に、なにかにかけることが多いようです。
- ヨーグルト
- クラッカー
- パン
シロップをジャム代わりに使うということが多いようです。
個人的には、無糖炭酸水と混ぜてうめサイダーを作ります。
暑い夏の日にちょうどいいでしょう。
梅シロップの保存の仕方
保存は冷蔵庫に入れておきます。
その時は必ず、梅を引き上げてから保存します。
保存するボトルも、熱湯消毒を行ってから移し替えます。
シロップは糖分が多いので、雑菌が残ってると、繁殖や発酵をしてしまうことがあります。
その様にならないように、注意する必要があります。
これは、あまり勧められている人がいませんが冷凍という選択肢もあります。
ただし、冷凍庫の温度が高いと結晶化して白くなってしまいます。
冷凍保存は、大量に作って長期間ストックしたい場合に、中身の動きが少ない冷凍専用の冷凍庫などに保存しておきましょう。
なお、冷凍は、茶梅の冷凍でも同じ様に行ってください。
中身の動きが多い日常使いの家庭用冷凍庫だと白く結晶化してしまい、食べる時に少し苦労します。
まとめ
6月になり梅のシーズンになると、梅シロップをつくる人が増えてきます。
今回は1日で作る方法と、梅そのものを食べる茶梅の作り方を紹介してきました。
梅シロップを作るときの難点は、梅が残ってしまうことです。
青梅で梅シロップをつくると、最後にシワシワの硬い梅が残りその処理に苦労します。
例えば硬い梅の皮と身をはがして、シロップの一部と煮詰めてジャムを作る人がいます。
ですが実際やってみると大変労力がかかります。
そこで、梅シロップを作る時に青梅ではなく完熟梅を使う事を提案します。
完熟梅を使うことで、ふわふわとろとろの甘酸っぱい梅が出来上がります。
シロップが出来上がったら、その梅をそのまま食べる事ができます。
もしくは、裏ごし器で梅を潰して、ピューレやジャムを作ることもできます。
毎年、苦労する方が多いと思いますが、少し視点を変えるだけで、違う楽しみ方もできるようになります。